JAFICA 和文化研究会 「浜離宮恩賜庭園」見学会報告

■2017年9月28日

和文化研究会では「有形文化財、無形文化財、歴史上または芸術上価値の高いものを見学し、和文化にふれ研究する。」を一つの目標としています。1回目は「浜離宮恩賜庭園」の見学会になりました。

「浜離宮恩賜庭園」は海水を引き入れた潮入りの池と、二つの鴨場を伝え、江戸時代には、江戸城の「出城」としての機能を果たしていた徳川将軍家の庭園です。

曇り時々雨というあいにくの天候の中、見学会参加者は渡辺さん、大河原さん、歴史に詳しい同友会の阿部さん、中山の4人でした。最初の記念撮影は三百年の松の前。今から300年前六代将軍家宣が庭園を大改装した事を、たたえ植えられた松です。太い枝が低く張り出し、堂々たる姿を誇っていました。回りを高層のビル群に囲まれながらたたずむ庭園は、ここが東京の真ん中かと思うほど、正に都会のオアシスでした。

次に向かったのは鴨場です。鴨場池には幾筋かの引堀(細い堀)を設け、小窓から鴨の様子を伺いながら、 ヒエやアワなどのエサとおとりのアヒルで引堀におびきよせ、機をみて小土手から鷹や網で捕るという猟を 行っていたそうです。ゆったりとほのぼのした猟だねと、みんなの意見が一致しました。そういえば、皇太 子様と雅子様が初めてお会いになったのが鴨場とか。やはり、鴨場は高貴な場所でした。園にはいたるとこ ろに、白鷺、黒鷺、灰色鷺がいて鳥の楽園でした。

燕の御茶屋
11代将軍家斎の時代に建てられ、戦災で焼失しましたが、残された礎石などから構成を調査し、平成27 年に燕の御茶屋が蘇りました。外側のガラス戸は端の杭で90度展開して横の溝に入ります。昔の宮大工の 技に感激しました。

お伝い橋
潮入の池の岸から小の字と中島を結ぶ延長118mもある総檜造りの橋で平成24年に改修されたそうで す。橋の途中にある藤棚の木。割れていてもなお、広々と枝を藤棚に這わせていました。凄い生命力です。

中島の御茶屋は、中に入って休めるお茶屋です。抹茶を頼むこともできます。それにしても外国の観光客が多い と実感いたしました。園に来ている半分は外国の方々でした。

水上バスで浅草へ:園内を回り終えた頃ぽつぽつと雨が降りはじめました。急いで船着き場に行くとジャン ジャンの大雨に。船は2階建て。2階は天井がガラス張りで四方が見渡せます。1時間の東京湾クルーズを 楽しみました。金雲のオブジェが見えてきたら浅草に到着です。浅草の懇親会場で着物の尾崎さんと合流! 最後は和食とお酒を堪能した会となりました。 「浜離宮恩賜庭園」は江戸から続く建築物・樹木・花植物・小動物・昆虫類がそのまま残っていて、江戸 時代にタイムスリップしたかのような感じでした。これらは文化財に指定され、震災や戦災、進む都市化の 中で残された貴重な存在です。「和文化研究会」では、今後も日本の文化に触れる機会を作っていきたいと 思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。     「和文化研究会」中山瑞穂